史上最も高値で販売された写真ベスト5
写真の魅力は、世界中で開催される写真展を見れば一目瞭然です。高価な写真がオークションに出品されているのをご存知でしたか?ここでは、過去に販売された写真の中で最も高価な写真をご紹介します。
Peter LikのPhantom
史上最も高価な写真に選ばれたのは、「Phantom」というこちらの作品で、その値段はなんと650万ドル(約6億円)です。オーストラリアの風景写真家Peter Likがアリゾナのアンテロープキャニオンを撮影したモノクロ写真で、広大な土地に突き刺さる一筋の太陽光がまるで亡霊のように見える作品となっています。2014年11月にある一人のコレクターによって落札されたのですが、この取引には懸念点がひとつありました。
その懸念点とは、本当に650万ドルの価値があるのか?ということです。アンテロープキャニオンに行ったことがある人ならわかると思いますが、ガイドが観光客全員を同じスポットに連れて行き、全員が同じショットを撮れるように誘導してくれます。美しい写真が撮れるよう、ガイドが砂を投げることもあるそうです。つまり、アンテロープキャニオンを訪れた全員がこのような写真を撮るチャンスがあるというわけです。
Andreas GurskyのRhein II (1999)
2011年11月8日、ニューヨークのクリスティーズ・オークションでAndreas Gurskyの写真が433万ドルで落札されました。ヨーロッパにおける戦後および現代美術部門の責任者であるフランシス・アウトレッド氏によれば、その写真の大きさと高度なスキルに加え、数が少ないことが高額で落札された要因だということです。
3点が美術館に収蔵され、他の3点が展示されています。その他にも、1点が私立美術館に所蔵され、2点が個人コレクションとして保管され、1点が個人の美術館に所蔵されています。
Richard Prince のSpiritual America (1983)
Spiritual Americaは、1983年に制作されたエクタカラープリントで、2014年5月12日に397万ドルで落札された写真です。ただしこれは、Garry Grossが10歳の頃のBrooke Shieldsを撮影した写真の”リフォト”であったため、議論を巻き起こしました。つまり、Richard Princeはオリジナルの写真を撮ったのではなく、写真の写真を撮っただけに過ぎなかったのです。
Cindy ShermanのUntitled #96 (1981)
Cindy Shermanの自画像の写真は、2011年5月、ニューヨークのクリスティーズで3,890,500ドルで落札されました。この写真は、彼女が27歳のときに雑誌「Artforum」のために撮影したもので、同誌はこの写真を掲載しませんでした。同じ写真の7枚目のプリントも、2012年5月に288万ドルでオークションにかけられた経歴があります。Cindy Shermanは2012年にMOMAとSFMOMAで有名な個展を開催しており、それが後押しとなったと思われます。
Richard PrinceのUntitled (cowboys)
Richard Princeのもうひとつの作品「Untitled (Cowboy)」は、2014年5月12日のニューヨークのクリスティーズ・オークションで374万ドルで落札されました。ちなみに同日、彼の一枚の絵画も約850万ドルで落札されたそうです。残念ながら1998年、彼は処刑されてしまい、現在はこの2つの作品のみが残っています。